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愛より優しい旅の空 鉄道旅ミステリ2 [小説]

愛より優しい旅の空 鉄道旅ミステリ2 柴田よしき

鉄道旅ミステリ (2) 愛より優しい旅の空 (角川文庫)

鉄道旅ミステリ (2) 愛より優しい旅の空 (角川文庫)

  • 作者: 柴田 よしき
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2015/10/24
  • メディア: 文庫

「夢より短い旅の果て」の続編、というより、「夢より短い旅の果て」と合わせて小説一本と考えるなら後編

↓↓少々批判的で若干ネタバレなのでご注意↓↓
鉄道薀蓄が会話文で語られることが多く、ついつい読み飛ばしてしまいたくなった
本筋と関係があるのかと我慢して読んでいると結局そう関わりなかったりする
いきなり主人公と前作に登場した近藤との恋愛が成立し、呼称も近藤から寛也になり面食らう
ミステリなのか恋愛ものなのか、鉄道エッセイなのか、中途半端な作品となっている

あとがきで、作者自身が『前作の連載中に東日本大震災が発生、取材スケジュールがたたなくなり、用意していたプロットもすべて使えなくなってしまいました。』と述べられているように、前作も中途半端に終わっていたが、本作の着地地点も苦しい
『何らかの形で続編は東北を中心にしたものにしたい、と、すべてのプロットを組み直し、取材もそこからあらたにスタートし、東北へは二回取材旅行もし、ようやく、続編が完成いたしました。』とあり、熱意が冷めないまま、物語へ熟成しないままに書かれたのではないだろうか
宮沢賢治も東日本大震災に関連した三陸鉄道の取り上げかたも中途半端である、というか、存在や事実が圧倒的過ぎて虚構に繋げることが難しい
ただ、デンデラ野に立つ高之の描写は透き通っていて、もっと高之の失跡に沿って本筋の身の丈に合った背景を選び書き込めば、美しい物語になったのではないだろうか

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